子宮内膜下組織由来幹細胞 | 婦人科形成は東京都中央区の銀座あゆみクリニック
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子宮内膜下組織由来幹細胞

子宮内膜下組織由来幹細胞


子宮内膜下組織由来間葉系幹細胞療法とは?

子宮内膜下組織由来間葉系幹細胞療法とは、子宮内膜の下層に存在する幹細胞(子宮内膜間葉系幹細胞)を用いた再生医療の一種です。この幹細胞は高い増殖能力と多様な細胞への分化能力を持ち、主に子宮内膜の再生を促す目的で研究・活用されています。

不妊症や子宮内膜薄化などの治療に効果が期待されており、採取した幹細胞を培養・増殖させた後、子宮内に移植することで組織の再生を促進します。また、炎症抑制や免疫調整作用も報告されており、子宮内膜症や慢性子宮内膜炎などの疾患への応用も進められている状態です。

現在、臨床研究段階ですが、将来的には不妊治療の新たな選択肢として注目されている治療法です。

子宮内膜下組織由来幹細胞療法の目的

子宮内膜下組織由来幹細胞療法の目的は、主に以下の2つです。

  • 子宮内膜の再生と機能回復の促進
  • 不妊症や婦人科疾患の治療

特に、子宮内膜が薄く着床が困難な患者や、子宮内膜炎などの炎症性疾患を持つ患者様に対して有効とされています。幹細胞の再生能力や免疫調整作用を活用し、子宮環境の改善ができるかもしれません。

また、子宮内膜症の進行を抑えたり、ホルモン療法や手術では治療が難しいケースにも対応できる可能性もあります。最終的には、自然妊娠や体外受精の成功率向上、さらには子宮の健康維持を目指し、婦人科領域の再生医療として発展が進められています。

子宮内膜下組織由来幹細胞の採取方法は主に2種類

月経血から採取

月経血には子宮内膜の剥離組織が含まれており、ここから子宮内膜由来の幹細胞(子宮内膜間葉系幹細胞)を採取することができます。採取方法は比較的簡便で、患者自身が専用の容器を用いて月経血を収集して医療機関に提出。その後、培養によって幹細胞を増殖させ、必要に応じて治療に利用します。
月経血から採取するメリットは、侵襲性が低く、手術を伴わないため、患者の負担が少ないことです。また、自己の細胞を使用するため、免疫拒絶のリスクが低い点もメリットとして挙げられます。一方で、月経血中の幹細胞の数が個人差によって異なるため、十分な細胞を得るためには適切な培養技術が必要です。

子宮内膜から採取

子宮内膜からの幹細胞採取は、子宮内膜生検(エンドメトリウム・バイオプシー)によって行われます。これは、細いカテーテルを子宮内に挿入し、少量の内膜組織を採取する方法です。通常、外来で短時間の処置として実施され、麻酔の必要がない場合が多いですが、軽度の痛みや出血を伴うことがあります。
子宮内膜から採取するメリットは、月経周期に左右されずに採取できることや、より多くの幹細胞を確保できる可能性があることです。一方で、多少の侵襲を伴うため、患者の負担や感染リスクを考慮する必要があります。採取した幹細胞は培養によって増殖させ、子宮内膜の再生治療などに活用されます。

子宮内膜下組織由来幹細胞療法がおすすめの方

子宮内膜が薄く着床しにくい方

子宮内膜は受精卵が着床するために重要な役割を果たしますが、通常の厚さ(7〜10mm程度)に満たないと、着床率が低下するため不妊の原因となります。子宮内膜菲薄症と診断された人や、ホルモン療法を試しても十分な厚みが得られない方にとって、幹細胞療法は有効な選択肢の1つといえるでしょう。

幹細胞が子宮内膜の細胞増殖を促進し、血流を改善することで、内膜の厚みや質の向上が期待されます。特に、体外受精を控えている方や、移植胚の定着率を高めたい方に適した治療法です。

体外受精や胚移植を繰り返しても妊娠しない方

体外受精(IVF)や胚移植を複数回試みても妊娠に至らない場合、着床環境の問題が関与しているかもしれません。特に、子宮内膜の厚みが十分でない・血流が悪い・炎症があるなどの要因が胚の着床を妨げることがあります。

子宮内膜下組織由来幹細胞療法は、幹細胞の再生能力や免疫調整作用を活用し、子宮内膜の質を改善することで着床率の向上が期待されます。これまでホルモン療法や他の治療を試しても効果がなかった方にとって、新たな選択肢となるでしょう。

子宮内膜炎や慢性子宮内膜炎を患っている方

子宮内膜炎や慢性子宮内膜炎は、細菌感染や炎症によって子宮内膜の状態が悪化し、不妊の原因となることです。特に慢性子宮内膜炎は自覚症状が少なく、気づかないまま着床障害や流産のリスクを高めることがあります。従来の治療では抗生物質の投与が一般的ですが、改善しないケースもあります。 

一方で子宮内膜下組織由来幹細胞療法は、幹細胞の持つ免疫調整作用や抗炎症作用によって、炎症を抑えながら子宮内膜の再生を促す効果が期待される治療法です。特に、抗生物質治療で効果が見られなかった方や、子宮内環境を根本的に改善したい方にとって、新たな治療法として注目されています。

子宮の健康を維持し将来的な妊娠を希望する方

将来的に妊娠を考えているものの、現在は妊娠を予定していない方にとっても、子宮の健康維持は重要です。子宮内膜の質が低下すると、将来的に着床しにくくなる可能性があるため、早めにケアをすることが妊娠しやすい状態を保つ鍵となります。

子宮内膜下組織由来幹細胞療法は、子宮内膜の再生や血流の改善を促し、内膜の厚みや受容性を高める効果が期待できます。特に、ストレスやホルモンバランスの乱れによる内膜の機能低下が心配な方にとって、将来的な妊娠の準備として有効な選択肢となるでしょう。

過去に子宮の手術を受け内膜の損傷がある方

子宮筋腫・ポリープの除去手術・流産や中絶の処置・帝王切開などを経験した方は、子宮内膜が損傷し、癒着や菲薄化が起こることがあります。

特に「アッシャーマン症候群」と呼ばれる子宮内癒着が起こると、内膜の再生が妨げられ、月経異常や不妊になるかもしれません。

子宮内膜下組織由来幹細胞療法は、幹細胞の再生能力を活かして損傷した内膜の修復を促し、着床しやすい環境を整える可能性があります。従来のホルモン療法では改善が難しいケースにも適用できるため、手術後に子宮内膜の回復が不十分な方や、将来的な妊娠を希望する方にとって有望な治療法の1つです。

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