性感染症検査
性感染症検査とは
性感染症検査とは、性感染症(性病)にかかっていないかを確認するための検査です。性感染症は自覚症状がないケースも多く、気づかないうちに進行していることがあるため、少しでも不安があるときは早めの検査をおすすめします。
当院では、「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」「梅毒」を一度に調べられる血液検査セットをご用意しております。
血液検査セットの検査項目

B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる感染症です。主に血液や体液を介して感染しますが、タトゥーやピアスの施術時に衛生管理が不十分な場合や、医療器具の使い回しなどによっても感染することがあります。
感染後は、急性肝炎として発熱や倦怠感などの症状が現れるものの、多くの場合は数日から数週間で自然に回復します。中には頭痛や関節痛が生じるケースもあり、風邪と間違われることもあるため注意が必要です。
一方で、ウイルスを排除できずに持続感染するケースもあり、悪化すると慢性肝炎へと移行する可能性があります。慢性化すると、長時間にわたって肝臓に炎症が続き、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
B型肝炎は自覚症状がほとんどないまま進行するケースも多く、気づいたときには病状が悪化していることもあるため、定期的な検査が重要です。
C型肝炎
C型肝炎は、おもに血液を介して感染します。性行為による感染はまれですが、出血を伴う行為や輸血、医療器具の使い回しが主な感染経路です。
C型肝炎は慢性化しやすく、感染者の約60〜70%が持続感染すると言われています。軽い倦怠感や食欲不振が主な症状であるため、感染になかなか気づきにくく、肝硬変や肝がんに移行してから発症に気づいた方も少なくありません。
時間をかけて徐々にウイルスは増殖していくため、少しでも心当たりがある場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。
HIV
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、リンパ球を破壊し、体の免疫機能を低下させる感染症です。血液や体液が主な感染経路で、長い間放置するとAIDS(エイズ)を発症する可能性があります。
感染の初期には筋肉痛のような痛みやリンパの腫れが見られ、インフルエンザのような症状が出ます。ただし、数日から数週間以内に症状は消失し、その後は自覚がない無症候期へ移行するため、感染に気づかない方も多いです。
とはいえ、無症候期でもリンパ球はHIVに毎日攻撃され続け、徐々に減っている状態です。免疫力は日々低下していき、普段はかかりにくい感染症(日和見感染)や悪性リンパ腫、子宮頚がんなどに発症するリスクが高まります。
無症候期の長さには個人差があるため、短期間で発症する場合もあれば、10年以上経過してから症状が現れることもあります。ただし、早期に発見し適切な治療を行うことで、ウイルスの増殖を抑えることが可能です。
できるだけ早く医師に相談し、適切な治療を始めることが大切です。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる感染症です。主に体液を介して感染するため、感染経路の多くは性的接触によるものです。梅毒は進行の段階によって異なり、3週間の潜伏期間が終わった後は、「1期」から「4期」に分けられます。
【1期(3週間~)】
性器や口などに、しこりやできものができるものの、多くの場合は痛みを伴わないため、感染に気づきません。
【2期(3カ月~)】
発熱や倦怠感などの症状が現れ、全身に赤い発疹(バラ疹)が見られるようになります。一定の期間で消失するケースが多く、治ったと誤解しやすいのが特徴です。
【3期(3年~)】
しばらく無症状の期間が続くものの、体内では細菌が増殖し続け、悪化すると全身に腫瘍(ゴム腫)が現れるようになります。
【4期(10年~)】
増殖した細菌が神経や血管にダメージを与え、脳や心臓に影響を及ぼすことがあります。進行すると臓器に腫瘍ができる場合もあり、治療しても後遺症が生じる可能性が高くなります。
ただし、医療が進んだ今の日本では、3期以降に進行するケースは少なく、多くの場合は2期までに発見・治療されているのでご安心ください。とはいえ、初期症状も軽いため放置されがちですが、感染の疑いがある場合は早めに検査を受けることが大切です。