女性ホルモン・卵巣検査セット
AMH検査（卵巣予備検査）とは
AMH検査（卵巣予備能検査）とは、卵巣内に残された卵子の数の目安を調べる血液検査です。AMH（抗ミュラー管ホルモン）は、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣に残っている卵子の数と相関性があると考えられています。
この検査では、月経周期に関係なくいつでも採血でき、卵巣の予備能（卵巣の中に残された卵子の数）を把握することができます。ただし、AMH値はあくまでも卵子の数の目安であり、卵子の質や妊娠の可能性を直接示すものではありません。
AMH検査はこんな方におすすめ
- 月経不順や婦人科系の疾患がある
- ご家族に早期閉経（40歳未満で1年以上月経がない）の方がいる
- 妊娠を意識し始めたので、早めに卵巣の状態を確認しておきたい
- 仕事と妊娠の両立を考えているので、計画的に妊活を進めたい
- 卵子凍結を検討している
排卵と女性ホルモンのしくみ
卵子は、約25〜35日の周期で卵巣から飛び出し、卵管へと運ばれます。この一連のプロセスには、女性ホルモンが深く関わっています。
まず、脳の視床下部から卵巣を刺激するホルモンが分泌され、卵胞という卵子の入った袋が成長を始めます。成長した卵胞からは、エストロゲンというホルモンが分泌され、子宮内膜を厚くして受精卵の着床に備えます。
エストロゲンの分泌量がピークに達すると、脳下垂体からLHというホルモンが放出され、成熟した卵胞を刺激して排卵が起こります。排卵された卵子は卵管に取り込まれ、受精の準備をします。
卵胞は、原始卵胞から胞状卵胞、成熟卵胞へと成長しますが、AMH（抗ミュラー管ホルモン）は、このうち胞状卵胞になるまでの過程で分泌されるホルモンです。
AMHは、卵巣に残された卵子の数と相関があり、閉経が近づくと減少します。つまり、AMH値を測定することで、卵巣の予備能（卵巣の中に残された卵子の数）を知ることができるのです。
AMH検査でわかること
AMH検査は卵子の数を知るための指標
AMH値は、卵巣に残された卵子の「数」を知るための指標であり、卵子の「質」を直接測定するものではありません。
AMH値は、年齢とともに減少する傾向がありますが、その減少速度には個人差があります。そのため、AMH値には明確な正常値というものが存在しません。
しかし、同年代の平均的なAMH値と比較することで、ご自身の卵巣の状態が平均よりも高いのか低いのかを把握することができます。AMH検査の結果を解釈する際、多くの医療機関ではJISART（日本生殖補助医療標準化機関）の参考基準値を参考にしています。
引用元：https://data.medience.co.jp/compendium/chart_pdf/A03010.pdf?t=1567841407
例えば、30歳の方がAMH検査を受けた結果、2ng/ml程度であった場合、卵巣の状態は35歳相当であると判断できます。さらに、2ng/mlを下回るような低い値であれば、40歳手前相当であると判断することも可能です。
AMHが低い場合
AMH値が低い場合、卵巣に残された卵子が少なく、早期閉経のリスクが高まります。特に、20代や30代でAMH値が低い場合は注意が必要です。
喫煙や婦人科疾患もAMH値を下げる要因のため、生活習慣の見直しや早期治療が大切です。ただし、AMH値は卵子の数を示すものであり、質とは関係ありません。質の良い卵子があれば、年齢に関わらず自然妊娠の可能性はあります。
AMHが高い場合
AMH値が高い場合、PCOS（多嚢胞性卵巣症候群）の可能性が考えられます。PCOSとは、卵巣内に小さな卵胞が多数存在し、卵胞が成長しにくいため排卵が起こりにくい状態です。排卵が起こりにくいと、月経周期が不順になり、不妊の原因となることがあります。
また、AMH値が高い場合でも、卵子の質やその他の要因によっては妊娠が難しい場合もありますので、医師と相談しながら適切な対策を立てることが大切です。
AMH検査はいつでも受けることが可能
AMH検査は、少量の採血で簡単に受けられ、月経周期に関係なくいつでも検査可能です。ご自身の都合の良いタイミングで気軽に検査を受けることができます。
妊娠・出産を考えている方はもちろん、そうでない方も、ご自身の体の状態を知っておくことで、より主体的なライフプランを立てることができます。将来の選択肢を広げるために、AMH検査を一度検討してみてはいかがでしょうか。